相国寺承天閣美術館

企画展

王朝文化への憧れ-雅の系譜

Ⅰ期 2022年3月20日(日)~5月15日(日) / Ⅱ期 2022年5月22日(日)~7月18日(月・祝)

王朝文化への憧れ-雅の系譜

Ⅰ期 2022年3月20日(日)~5月15日(日) /
Ⅱ期 2022年5月22日(日)~7月18日(月・祝)

概要

貴族文化の華やかなりし平安時代。その王朝のみやびへの憧れは、現代の我々のみならず、江戸時代の人々も強く抱いていました。『伊勢物語』と『源氏物語』はその憧れの世界が描かれた代表的な王朝文学です。物語で鮮やかに浮かび上がる在原業平の恋物語、光源氏の人生絵巻。そこでは、多くの和歌が詠まれ、後世の歌詠みの規範ともなりました。
また、相国寺は和歌史に燦然とその名を残す藤原定家の墓所として、ゆかりの寺宝を有しています。さらに桂離宮や古今伝授で有名な八条宮智仁親王の菩提所として塔頭の慈照院には宮家ゆかりの寺宝が多く伝来しています。
本展観では、江戸時代に描かれた伊勢・源氏の屏風絵とともに、江戸時代の公家の和歌や絵画を紹介します。江戸時代、京で復興した王朝文化の世界をご堪能ください。

展示構成

第一章伊勢物語の面影

『伊勢物語』は平安時代に成立した歌物語。在原業平の和歌や逸話をもとに構成され、後世に大きな影響を与えた。

[ 主要展示作品 ]
重要文化財 蔦の細道図屏風 俵屋宗達筆 相国寺蔵 ※Ⅱ期(画像1)
伊勢物語・布引の滝図屏風 相国寺蔵 ※Ⅰ期
遊女勝山図 相国寺蔵

第二章源氏物語への憧れ

『源氏物語』は平安中期の長編小説。全五十四帖に、主人公光源氏の人生を軸に華麗なる王朝物語が繰り広げられる。

[ 主要展示作品 ]
源氏物語図屏風 狩野常信筆 相国寺蔵
源氏物語図屏風 相国寺蔵
重要文化財 源氏夕顔蒔絵手箱 相国寺蔵 ※Ⅰ期(画像2)

第三章和歌の伝統

和歌は、天皇の命で勅撰和歌集が編まれるなど、日本文化の核となる詩歌形態である。時代ごとに様々な人物が和歌を詠じてきた。

[ 主要展示作品 ]
重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵 断簡 源公忠 相国寺蔵 ※Ⅰ期(画像3)
三十六歌仙画帖 岩佐又兵衛筆 相国寺蔵
達磨図 後陽成天皇筆 慈照院蔵 ※Ⅰ期

第四章相国寺と禁裏

京の禁裏近くに室町時代より在り続けた相国寺には、公家の子弟も多く入寺し、公家文化の一端を担ってきた。

[ 主要展示作品 ]
後水尾天皇像 相国寺蔵(画像4)
後水尾天皇 鳳林承章合作 和漢聯句 鹿苑寺蔵 ※Ⅰ期
八条宮家初代智仁親王画像 慈照院蔵

みどころ

みどころ 1江戸時代の華やかな王朝物語屏風

平安時代の王朝文化を伝える『伊勢物語』や『源氏物語』をもとに、後世多くの作品が制作されました。物語の複数の場面を描いた屏風や登場人物を描かずに場面を想起させる意匠の工芸品、そして作品由来の銘をもつ茶道具など、王朝の物語が日本文化のなかに様々な形態となって浸透していった諸相をご覧ください。

源氏物語図屏風 狩野常信筆 相国寺蔵

みどころ 2伝来の名宝

中世から近世にかけて相国寺には、公家出身の僧侶も多く在籍していました。在俗時の血縁者を中心に出家後も禁裏との交流が続いたことが、相国寺派の什物から確認できます。特に、江戸時代前期の文化復興の中心的存在であった後水尾院と相国寺はゆかりが深く、院の寄進した伽藍は焼失してしまっても、様々な什物が今に伝来しています。
また、塔頭寺院にも公家文化が深く浸透しておりました。八条宮家ゆかりの慈照院や藤原定家ゆかりの各塔頭に残る公家文化とのかかわりを示す什物を公開いたします。

八条宮家初代智仁親王画像 慈照院蔵

基本情報

日時
Ⅰ期 2022年3月20日(日)~5月15日(日)
Ⅱ期 2022年5月22日(日)~7月18日(月・祝)
拝観料
一般 800円
65歳以上・大学生 600円
中高生 300円
小学生 200円

※一般の方に限り、20名様以上は団体割引で各700円

主催
相国寺承天閣美術館 京都新聞
協賛
一般財団法人 萬年会 鹿苑寺 慈照寺

関連イベント

Ⅰ期

スライドトーク 本多潤子(当館学芸員)4月2日(土)、5月7日(土)14:00~14:30

講座 「寺宝にみる近世公家文化」
本多潤子(当館学芸員)
5月3日(火・祝)14:00~15:30

Ⅱ期

スライドトーク 本多潤子(当館学芸員)6月4日(土)、7月2日(土)14:00~14:30

講座 「寺宝にみる近世公家文化」
本多潤子(当館学芸員)
6月11日(土)14:00~15:30

場所

当館講堂(開場13:30)
※各イベントには当日の拝観券が必要です 
※各回定員先着40名

※コロナウイルス流行等の状況により中止となる場合があります。
 最新の情報は当ホームページにてご確認下さい。

プレスリリース

  • 2022年2月15日

    『王朝文化への憧れ −雅の系譜』のプレスリリースを公開いたしました。